おかやま建築探訪〜ノートルダム清心女子大本館・東棟〜
2015.11.11 Wednesday
本館・東棟は、故アントニン・レーモンド氏設計、
1929年竣工の鉄筋コンクリート造地上2階の建物。
周囲の木々の緑の中に、白い外壁の清楚さと水平と連続集積する垂直が印象的な外観です。
アントニン・レーモンド氏は、帝国ホテル建設時にフランク・ロイド・ライト氏とともに来日し、
日本の建築と文化に魅了され、長く日本で暮らしたチェコ生まれの建築家です。
師匠ライトの影響と、それを乗り越えようとする意志が感じられます。
本館正面
水平を強調したデザインに、垂直の連続が小気味よい外観。
メンテナンスも行き届いていて、とても澄んだ印象を受けます。
本館玄関扉
アールデコ調の玄関扉。
シンプルな中で良いアクセントとなっています。
本館オーニング窓
竣工当時のスチールサッシが今も現役!
各窓が開閉可能で、今も昔もパッシブデザインです。
本館テラスドア
ガラスも竣工当時のものが多く見られます。
現在のフロートガラスに無い微妙な歪みが魅力的。
本館ホール内観
上部の窓まで開閉可能。
採光通風の確保が徹底されていて勉強になります。
東棟正面
最も好きなファサード!
シンプルでありながら、起伏による陰影と上昇感の演出が巧みで、
強く印象に残るファサードとなっています。
大学には、こういった「顔」になる建築が不可欠と思うです。
東棟正面ステンドグラス内観
正面ファサードを飾るとともに、2階に設けられた御堂に美しい朝の光を届けてくれます。
毎朝この御堂で祈りの時を過ごせたら、本間もピュアな人間に生まれ変われるかもです〜^^
東棟上部鐘楼
東棟は竣工当時、岡山市内でも指折りの高層建築だったとのことです。
岡山市のランドマークとして、岡山の人の誇りだったのだと思います。
岡山の人の誇りであり大学の顔である建築。
建築が担うべき重要な役割を、今も昔も変わらず背負い続けている素敵な建築でした。
日本建築学会中国支部の皆様、関係者の皆様、大変お世話になりました!
ご馳走様でした〜^^